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【特集】 ローカル街歩き ~デンパサール編その4・アート・センター~ 


デンパサール?ええと、デンパサール空港というが、空港があるのはクタ地区であって、デンパサールではない。デンパサール、デンパサールと耳にはするが、実際、デンパサールという街は、一体どんな街なのだろう?実は、行った事がないという人もいるのでは?

デンパサールとは、州知事庁舎をはじめ州政府官庁のあるバリの中心であり、ここには地元住民の台所とも言える最大の市場もある。バリ島観光はクタやスミニャック、ヌサドゥアだけじゃない!


さあ、ディープなバリ庶民のセンター街、デンパサールについてもっと知ろう!

その1はこちら
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<アートセンターの巻>


ヌサ・インダ通りにあるアートセンターは、インドネシア語ではTaman Budaya Denpasarという。公園のような、ひとつの敷地の中に、屋内・屋外全部で10箇所ものステージが点在しており、バリの彫刻技術を駆使した独特で見事な建築物などを見ることもできる。


毎年ここでは、インドネシアの新学期前の長期休暇期間1ヶ月を利用し、同時期に‘バリ芸術祭(バリアートフェスティバル/Pesta Kesenian Bali=PKB )が開催され、丁度現在も、第38回目の芸術祭が開催されている。
さて、今回のローカル街歩きデンパサール編は、アートセンターでの芸術祭についてご紹介したい。・・・と、いうのは、バリ島に既に長期に渡り滞在してる人の中にも、実はまだ1度も芸術祭に行ったことがないという人が少なくないからだ。


バリ島内でも各県から厳選された芸術(各県には芸術家らによるチームが出向き、事前に審査をし、それをクリアして始めて出場権が得られるのだ)のみならず、国内・海外からの参加もあり、これらが毎日毎日、日替わりで1ヶ月間休みなく公演される舞台を鑑賞できる機会など通常はないし、しかも、すべて無料で観られるのだ。(今年の公演スケジュールはこちら)それも、好きなだけ。こんな贅沢はない。これを、長年に渡り逃して来たというあなた!何ともったいないことを!これを読んで、是非、行ってみてほしい。バリの一般庶民もたくさん訪れているので、人間ウォッチングだけでも、かなり楽しい。



まず、この時期の駐車状況だ。①アートセンター前の路上駐車②一般市民の庭を提供した‘Roda 2(2輪車)’‘Roda 4(4輪車)’の看板の矢印に従って路地や庭に入っていく③更に北側にあるISI Denpasar(インドネシア国立芸術研究大学)の駐車場を利用する・・・この順で、駐車場を確保しよう。

沢山の客が押し寄せるアートセンター付近には、駐車案内係もスタンバイしているので、指示に従おう。


アートセンターには、午前10時頃から自由に入れ、午前中の公演は11時からのものが多く、午後は2時頃から始まり、最終公演は8時から終了までだ。1日に平均7-8グループが公演する。参加グループは皆、公演前に簡単なリハーサルや立ち位置、音響セットの確認などをして万全を期して臨む。継承が難しくなった珍しい地方伝統芸能・工夫を凝らした現代音楽と舞踊の他、各県対抗の芸能コンテストなど興味深いものが見られる。事前にプログラムを調べて行くのも良し、行き当たりばったりで行くのも、予想外の凄い芸能が見られたりしてまた面白い。

公演前の準備の様子

公演前の準備の様子

舞台のない空き時間には、各県からの独特な手工芸品を販売展示しているコーナーや、芸術品を販売する店を覗いてみよう。様々な種類の手編みの籠や、手織物、お面、金銀細工・アクセサリー、お香などが比較的安く手に入る。店や部屋の装飾品をバリっぽくしたいなどという人も見てみるといい。掘り出し物が見つかるかも。昼間なら木陰を探して休憩するのもいい。



何か食べるもの?橋を渡ったワンティランという会場のそばに‘クリネールコーナー’があり、美味しそうな匂いが風に乗って漂ってくる。


ここには、各県からの郷土料理の店が軒を並べ、安価で提供している。食べられる人は、美味しいので、是非、試してみてほしい。その代わり、辛いし、その後の腹の調子には責任は持ちかねる。何を注文していいか判らない場合は、食べている人の皿や飲み物を示して、あれと同じものを・・・と、売店のおばさんに言うのも良いだろう。ウサギのサテ、タニシのサテ等という珍味もあるぞ。


アートセンター西側奥には、広い場所に沢山のローカル物の売店が密集した場所がある。服・靴・文房具・かばん・おもちゃetc・・・子供のためのミニ遊園地さながら、観覧車やメリーゴーランド、小さいジェットコースター、ゲーム機等を設置した場所もある。これはこれで、お国柄が感じられて面白い場面が盛りだくさん。酷く混雑しているので、一応、スリや引ったくりには気をつけるに越したことはない。また、足元が悪いので注意しよう。


公演前の舞台の観客席は誰もいないが、そろそろ始まるかという時刻になると、何処からともなくワラワラと人々が集まってきて、地面に座る者、階段に腰掛ける者、立ち見する者・・・あっという間に会場はいっぱいになる。


しかし、鑑賞スタイルは日本のそれとは違う。飲み食いしながらの鑑賞はさすがに最近は見かけないが、日本のように面白くないものを我慢して終了まで見続けることはない。内容がつまらなければ、観客はとっとといなくなるし、へたな演技には冷やかしの声がかかり、お喋りも聞こえる。そのように、直接的にものの良し悪しを行動で表す観客の様子は、即、公演内容のバロメーターともなる、大変シビアなものなのだ。芸能に頻繁に触れている地元観客の目を甘く見てはいけないということだ。



今年のバリ芸術祭も、折り返し地点をそろそろ越える。残った半月の内に、今年こそは、是非一度、行ってみて欲しいと思う。

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